遺品整理の基礎知識

デジタル遺品の正しい取り扱いと具体的な整理方法を解説

この記事を監修した人
オザワ / 遺品整理士(一般社団法人遺品整理士認定協会所属)
一般財団法人「遺品整理士認定協会」所属の遺品整理士。 また、当メディア「遺品整理のいろは」の管理人として、遺品整理に関する正しい知識を伝えるべく日々励んでいる。

近年、遺品整理の中でもお問い合わせが増えてきたのが、デジタル遺品整理。2000年以降のインターネットとスマホの普及により、多くの情報を紙ではなく、デジタルデータとして、保存することが多くなってきました。

例えば、以下のようなお悩みがありませんか?

  • 故人のネットバンキングにログインできない
  • サブスクサービスが解約できない
  • 父の死を父の友人に伝えることができない

インターネットが発達する以前、やり取りは対面や紙が基本だったので、このような問題はありませんでしたが、インターネットが発達してから故人が居なくなってしまったあとに残されたデジタル遺品が社会問題化してきています。

この記事では、デジタル遺品の取り扱いに困っているあなたのために、デジタル遺品の発掘方法や整理方法や具体的な対処方法について、解説しています。

そもそも、デジタル遺品とは?

デジタル遺品

デジタル遺品とは、パソコンやスマートフォン、携帯電話に保存されたデータや各種サイトに登録した個人情報、知人との連絡先情報などその種類は多岐に渡ります。

デジタル遺品の中にはネットバンキングや証券会社の情報、クレジットカード情報などの遺産相続に必要なものはもちろんのこと、SNSやサブスクサービス、各種アプリのログイン情報などの個人情報に結びついた情報もある。デジタル遺品の適切な取り扱いに関しては、歴史が浅いため、故人が亡くなった後にデジタル遺品にアクセスし、取り出すことができないなどのトラブル事案が増えています。

デジタル遺品の例
  • PC・スマホに保存されたデータや故人情報
  • ネットバンキング・ネット証券のログイン情報
  • クレジットカード情報
  • SNS・サブスクサービス・アプリのログイン情報

また、総務省の2020年の調査によれば、個人のインターネット利用率は83.4%となっており、なんと70代でも約60%、80歳以上でも25%の利用率となっており、今後ますますデジタル遺品を巡ったトラブルが増えることは予想されています。

(参考:総務省|令和3年版 情報通信白書|インターネットの利用状況)

デジタル遺品のトラブル事例

デジタル遺品のトラブル

デジタル遺品にまつわるトラブルは年々増加しており、社会問題になりつつあります。具体的には以下のようなトラブルや問題が起こりやすいので、念頭に入れておきましょう。

遺産相続

インターネットバンキングやネット証券の口座にある現金や金融商品はもちろん、相続の対象となります。金融業界でもデジタル化が進んでいることから、銀行や証券会社から書類での通知も少なくなってきていますし、故人が保有している資産を把握することは昔と比較すると難しくなっています。

サブスク課金

近年、多いデジタル遺品のトラブルがサブスクリプションサービスの課金です。

サブスクサービスは一度同意をすると、月額課金で料金を請求される料金形態を取られており、一切使用していなかったとしても、解約をしない限り、毎月費用はかかってしまいます。

AmazonプライムやNetflix、Apple Music、Spotify、電子書籍の読み放題サービスなど、サブスクは私達の生活になくてはならない存在になりつつあります。

個人情報の流出

SNSや各種WEBサービスから故人の個人情報が流出し、悪用されてしまう可能性があります。昨今、情報漏洩には厳しくなっていますが、それでも時折、個人情報の流出がニュースになるケースも見ることはあるでしょう。もちろん、大手のサービスだからと言って安心できません。あなたの知らないところで故人の情報を悪用され、思いがけぬところで、トラブルになる可能性があります。

故人の死を通知できない

昔は電話帳や回覧板、連絡簿など、知り合いの連絡先は紙ベースのアナログ管理だったため、故人の亡きあとでも、連絡を取りやすくなりましたが、現在ではLINEやメール、SNSで連絡をとりあうことが多くなっているため、スマホにアクセスできないと故人の死を故人の知人に通知することが難しくなっています。

遺影用の写真がない

故人の写真自体がスマホやクラウド上に保管されていることが多くなってきた昨今、遺影用の写真集めが難しくなっているようです。仮に家族が持っていたとしても、年齢がかなり離れている遺影としてふさわしい写真を代用しないといけなくなってしまっています。

デジタル遺品のトラブルを避けるための対策

エンディングノート

故人が亡くなった後のデジタル遺品が原因のトラブルを避けるための有効な手段は、故人が亡くなる前に、対策を行うことです。ここでは、生前に行うことができる対策を紹介します。

生前整理

まずは生前整理です。生前整理とは、即ち「死に支度」であり、生きながらもいつか訪れる死のための準備をする行為のことです。不要になったものを処分したり、遺族に残したいものを整理しておくのは、もちろんのこと、デジタル遺品の生前整理も必要とされる生前整理のひとつです。

具体的には、スマホやPC、証券口座やネットバンキング、SNSなどのWEBサービスのIDやパスワードといったログイン情報をエクセルや書類に書き残して、遺族間で共有しておくようにしましょう。こうすることで、故人がなくなった際も速やかに、各種デジタルデータにアクセスし、対処することができます。

エンディングノート

エンディングノートとは、死に備えて必要な情報を書き残すためのノートのことで、生前整理の要素の一つです。デジタルデータへのアクセス情報を書き残しておくことで、自分が亡くなったあとはもちろんのこと、病気で寝たきりになった際にも非常に役に立ちます。

遺言書

そして、最後は遺言書です。遺言書は遺産相続に用いられる法的に有効な書類のこと。近年、遺産に関しては、ネット証券やネットバンキングなど、WEB上で管理していることも多く、これらのサービスへのログイン情報を遺言書に書いておくと、遺産相続の際に役立ちます。

デジタル遺品はどうしたら…?具体的な整理手順を解説

デジタル遺品整理には大まかに・・・

  • 電子データの取り扱い
  • パソコンや携帯電話の処分

の2つの対応が必要になります。

電子データの取り扱い

まずは、パソコンや携帯電話など電子データを保存している端末にアクセスすることができるかを確認しましょう。

基本的に、パスワードロックを掛けているケースが多いため、もしパスワードを知っているのであれば、パスワードを用いて、端末にアクセスしましょう。もし、パスワードが分からず、端末にアクセスできない場合は、専門の業者に依頼をして端末にアクセスできるようするしかありません。

次に、端末にアクセスできたら、必要なデジタルデータのバックアップを行います。外付けのHDDやクラウドサービスを用いる、もしくは写真や書類データはプリントアウトします。

最後に、WEBデータに関しては解約、及び引き継ぎを行いましょう。例えば、SNSや有料WEBサービスに加入しているのなら、解約手続きをとるようにする。証券口座やネットバンキングの情報などがある場合は、相続に関わることなので、遺族に引き継ぐことができるように手続きを行います。

パソコンや携帯電話の処分

電子データの処理が終わったら、次にパソコンや携帯電話等の端末の処分を行いましょう。まず、デジタル機器の初期化を行います。。データが残った状態で廃棄や回収を行うと、データを第三者に抜かれる可能性があるので、注意が必要です。初期化したパソコンや携帯電話などのデジタル機器に関しては、買取業者への売却、もしくはリサイクルするなど、有効活用しましょう。

デジタル遺品整理は専門業者に任せる方がベター

近年のデジタル化に伴い、デジタル遺品は増えつつあるが、どうやって整理したら良いのかわからない、パスワードも解除できないから、整理すらできないという方も多いかと思います。

そのような、時にはまず、専門の遺品整理業者に問い合わせをすることをおすすめします。

この記事を監修した人
オザワ / 遺品整理士(一般社団法人遺品整理士認定協会所属)
一般財団法人「遺品整理士認定協会」所属の遺品整理士。 また、当メディア「遺品整理のいろは」の管理人として、遺品整理に関する正しい知識を伝えるべく日々励んでいる。